競艇のチルトとは?角度の違いによる影響や選手の狙いを徹底解説!図説あり

競艇のチルトと聞いて⋯「聞き覚えはあるけど、よく分からない」
「チルトがレースにどう影響を及ぼすの?」
といったように、知識が曖昧な方も多いはず。
そこで本記事では、競艇におけるチルトの基礎知識はもちろん。
チルトの違いによるレースへの影響や、チルトを活かした予想方法まで徹底解説しました!

早稲田大学を卒業後、新卒で某有名新聞社に入社。競艇を扱う部署に配属していました。その後、某有名競艇予想屋にスカウトされ、プロ競艇予想屋として活動。この時に競艇予想サイトの存在を知り「ボートレース・競艇予想ムサシ屋」として検証を始めることに。現在競艇歴30年を迎え、競艇に使った金額は3,000万円を超えました。皆様に安心して競艇を楽しんで頂けるよう日々尽力しています!
競艇のチルトとは?
競艇のチルトとは、ボートにモーターを取り付ける角度のことを指します。

チルト角度を下げると[-0.5度]となり、チルト角度を上げると[0.5度]となります。
このように、選手たちがチルトアジャスターという部品を用いて、チルト角度を調整することで艇の接水面積が変化。
結果としてスピードやターンの安定感に影響が出てくるため、予想をする上で欠かせない指標となっています。

今田 武蔵
チルトは全8段階|会場によってチルト角度の制限がある
基本的にチルト角度は【-0.5|0|0.5|1|1.5|2|2.5|3】の全8種類ですが、各競艇場ごとに角度の制限が設けられています。
競艇場 | チルト角度 |
---|---|
桐生 | -0.5|0|0.5|1 |
戸田 | -0.5|0|0.5 |
江戸川 | -0.5|0|0.5|1|1.5|2 |
平和島 | -0.5|0|0.5|1|1.5|2|3 |
多摩川 | -0.5|0|0.5|1/|1.5|2|3 |
浜名湖 | -0.5|0|0.5|1|1.5|2|2.5|3 |
蒲郡 | -0.5|0|0.5|1|1.5|2|3 |
常滑 | -0.5|0|0.5|1|1.5|2|3 |
津 | -0.5|0|0.5|1|1.5|2|3 |
三国 | -0.5|0|0.5|1|1.5|2|3 |
びわこ | -0.5|0|0.5|1|1.5|2|2.5|3 |
住之江 | -0.5|0|0.5|1|1.5 |
尼崎 | -0.5|0|0.5|1|1.5|2|3 |
鳴門 | -0.5|0|0.5|1|1.5|2|3 |
丸亀 | -0.5|0|0.5|1|1.5|2|3 |
児島 | -0.5|0|0.5|1|1.5|2|3 |
宮島 | -0.5|0|0.5|1|1.5|2|3 |
徳山 | -0.5|0|0.5|1|1.5|2 |
下関 | -0.5|0|0.5|1|1.5|2|2.5|3 |
若松 | -0.5|0|0.5|1|1.5|2|2.5|3 |
芦屋 | -0.5|0|0.5|1|1.5|2|3 |
福岡 | -0.5|0|0.5|1|1.5 |
唐津 | -0.5|0|0.5|1|1.5|2|3 |
大村 | -0.5|0|0.5|1|1.5 |
出典:ボートレース公式サイト
基本的に[-0.5度]から[3度]まで自由度の高い競艇場がほとんど。
ですが、桐生競艇や戸田競艇のような競走水面が狭い会場では、チルト角度の上限が[0.5度]あるいは[1度]に設定されている場合も。
難しい水面ほどチルト角度の制限は厳しくなっている点は押さえておきましょう。
チルト角度を調整した時のレースへの影響は?
競艇場の広さによって角度が制限されるほど、チルトによるレースへの影響は大きいですが⋯
平常時であるチルト0度と比較して、レースにどのような影響が出てくるのか。
チルトを下げた場合と上げた場合の2パターンに分けて、解説していきます。
チルトを下げると回り足重視の安定型になる

チルトを下げると、上記のようにボートに対してモーターが斜め下にある状態になります。
そうなると、ボート先端が沈み込むため、水面に接する表面積が多くなる傾向に。
走行時やターン時にもブレることなく、安定した走りを繰り出すことができるようになります。
その一方で、水面に接する面積が大きい分、水の抵抗を受けて加速しづらくなる欠点も。
チルト角度を下げた場合は、たとえ高性能なモーターであっても直線での伸びが悪くなる点は押さえておきましょう。
チルトを上げると伸び足重視のスピード型になる

チルトを上げると、上記のようにもボートに対してモーターが斜め上にある状態になります。
そうなると、ボート先端が徐々に上に向きになり、水面に接する表面積が少なくなる傾向に。
水の抵抗を受けづらくなることから、伸び足重視のスピード型となります。
一方で、水面に接する面積が少ないため、ボートが不安定になるという致命的な欠点も。
スタートダッシュが決めにくくなったり、ターン時に転覆しやすくなったりするため、選手の技量が試される傾向にあります。
そのため、チルトを上げている選手がいるからといって期待しすぎるのは禁物です。
【チルト角度別】選手の狙いと予想方法
チルト角度ひとつで「ターンが流れる・伸びが強い」あるいは「回り足がいい・直線が弱い」など。
レースへの影響が大きく変化するため、展示や直前情報でのチェックは必要不可欠。
ここでは、チルト角度別で選手の狙いと予想方法をご紹介していきます。
チルト0度/-0.5度|安定・差し重視のスタンダード
最も多くの選手が使用するのが、「0度」または「-0.5度」といったチルトです。
これはターンの安定感や走行時のバランスの良さを重視したセッティングで、主にイン勢や差し展開を得意とする選手に好まれます。
具体的な特徴は以下の通り。
- 回り足が安定しており、旋回時に大きく流れにくい
- スピードよりも機動力を重視した走りに向く
- 特にイン逃げ・差し・抜きといった展開に強い
水面が荒れやすい競艇場(江戸川や唐津など)では、チルトを下げて艇の安定感を高めるのが主流となっています。
また、展示航走で安定したターンを見せる選手がこの角度なら、「インから素直に逃げる展開」が予想でき、堅実な本命筋として舟券を組み立てやすいです。
したがって、チルトを予想に取り入れる際はまず「0度・-0.5度」を目安に考えるようにしましょう。
チルト0.5度~1.5度|ターン・伸び両方重視の万能型
「0.5度~1.5度」のチルト角は、0度と+3.0度の中間にあたる“万能型”のセッティングです。
特定の枠番や水面条件に縛られず、ターンと伸びの両立を狙う選手に好まれます。
最近では、若手選手や自在な攻めを得意とするレーサーがこの設定で勝負することが多いです。
特徴を整理すると、以下のようなポイントが挙げられます。
- ターンのキレと伸び脚のバランスが良い
- 「まくり」「差し」「抜き」など、展開に応じた対応力が高い
- 出足・回り足・伸び足の平均点が高く、荒れる水面にも対応可能
この角度を選ぶ選手は、「中枠スタートでスタート展示から出足が悪くない」「まくりも差しも狙いたい」など、展開を読みつつ自在に対応したいという意図があるケースが多いです。
特に、センターからの自在攻めにフィットしやすく、展示気配が良ければ本命・穴問わず舟券に絡めるのがポイント。
また、「0度では伸びが物足りないが、+3.0度はリスクが高すぎる」と感じた時の妥協点として、チルト1.0度付近も多く見受けられます。
展示航走で直線タイムが悪くなく、旋回後の加速も滑らかに感じたら、この設定がハマっている可能性が高いでしょう。
バランス重視のセッティングだからこそ、他艇のミスを突いた一発逆転にも期待できます。
チルト1.5度~3度|伸び足・スピード重視の勝負型
チルトを「+方向」に大きく振ると、走りの特性がガラリと変化。
特に+1.5度以上、そして+3.0度は、伸びに特化したスピード重視の勝負型に様変わりします。
トップスピードが出せるようになる反面、ターン時にバランスを崩しやすくなるという欠点も。
こういった強気のチルト設定時における“選手の狙い”は以下の通りです。
- 外枠から一撃のスタート攻勢を狙っている
- ターンで流れやすい分、最初の伸びで先手を取るのが大前提
- 特に4〜6号艇が+3.0度だと、まくりやまくり差し狙い
例えば、展示航走で「1人だけ飛び抜けて伸びている選手」がチルト+3.0であれば要注意。
インのスタートタイミングと展示の伸び足を見比べて、「1人だけ飛び抜けて伸びている選手」が外から突き抜ける展開を想像できれば、穴狙いの軸として非常に効果的です。
チルト角度を上げる場合は“クセのある選手”が使う傾向が多いため、同選手の過去のレースデータや調整の変更履歴をチェックしておくと、予想の精度をさらに高めることができるでしょう。
チルト3度は諸刃の剣!?その狙いと代表的な選手をご紹介
競艇におけるチルト角度の中でも、最も爆発力があるのが「チルト+3.0度」です。
使いこなせる選手はほとんどおらず、使用される頻度も極めて低いですが⋯
競艇予想している中で、「チルト+3.0度」の選手を見つけた場合は要注意。
使いこなす選手=爆発力のあるまくり屋である可能性が高く、穴党にもってこいの波乱のレースになり得るでしょう。
ここでは、チルト3度に設定する“選手の狙い”と代表的な選手をご紹介していきます。
チルト3度に設定する“狙い”とは?
チルト3度は、とにかく直線スピード・「伸び足」に全振りしたセッティングです。
特に、アウトコースの選手が採用することが多く、センターや大外から「スタート一発まくり」を狙うときの切り札とされています。
- 外側から飛び出し、一気にまくりを決めるため
- 展示タイムで他選手にプレッシャーをかけるため
- 自力で勝負を決める“攻めの姿勢”を明確にするため
ただし、旋回性能が著しく落ちるため、ターンで流れる・膨れる・不安定になるといった欠点も兼ね備えています。
結果として「決まれば万舟、崩れれば6着」といった両極端な展開になりやすく、まさに“諸刃の剣”と言えるでしょう。
チルト3度を得意とする代表的な選手一覧
諸刃の剣である「チルト3度」を使いこなしている代表的な選手を一覧でまとめました。
(※2025年07月03日時点で現役選手のみ。随時更新)
選手 | 堀之内紀代子 | 菅章哉 | 木谷賢太 | 坂口周 | 仲道大輔 | 土屋南 |
---|---|---|---|---|---|---|
特徴 | 女性屈指の豪快まくり屋 チルト3度で大波乱演出 | スタート力と伸びを兼ね備えたバランス型の3度使い | 展示タイム1位&3度セットが多い若手注目株 | 地元戦でチルト3度が光るベテラン | 思い切った3度攻めを見せる勝負師 | 積極的にチルトを上げ、果敢に仕掛ける |
予想ポイント | 女子戦かつ外枠スタート時に展示が良ければ穴狙い | センター進入×伸び傾向の展示に要注意 | 若手戦×展示1番=爆発あり | 地元開催×展示伸び型=穴警戒 | 強風・外枠・展示1位で穴決着に期待 | 伸び型モーター×センター進入で一発 |
上記のチルト3度を得意とする選手であれば、たとえ外枠でも上位に食い込む可能性は極めて高いです。
競艇予想の際に、上記の選手がいる場合は予想ポイントを参考にしながら舟券に取り入れてみてください。
競艇におけるチルトまとめ
競艇におけるチルトを解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
本記事の内容をまとめると以下の通りです。
- チルトとはボートにモーターを取り付ける角度のこと
- チルトは【-0.5|0|0.5|1|1.5|2|2.5|3】の全8段階
- 会場によってチルト角度の制限がある
- チルトを下げると回り足重視の安定型になる
- チルトを上げると伸び足重視のスピード型になる
- チルト3度調整は外枠から一発を狙う合図
- チルト3度を得意とする選手は堀之内選手や菅選手など計6名
上記のポイントを押さえて勝負すれば、今よりも勝率アップは確実。
チルトによるレースへの影響の大きさを理解した上で、本記事を参考に予想してみてください。
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