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競艇の死亡事故を解説!歴代の事例や現在の安全対策までご紹介!

ボートレース死亡事故 トップ

水上の格闘技と呼ばれるボートレースにおいて、競艇選手の体感速度は時速120kmに及びます。

これは、高速道路の最高速度制限と同等のスピード。

その状況下で、ブレーキの付いていないボートを操縦したり、ときには接触を伴ったりするので、危険と隣り合わせの競技であることは誰もがわかるでしょう。

当然、競艇に事故はつきものですし、過去には痛ましい死亡事故もありました。

今回はそんなボートレースでの死亡事故を徹底解説。

事故が起きる原因や歴代の事例はもちろん、競艇界が危険と向き合う中で進めてきた安全対策についてもまとめたので、ぜひ最後までご覧ください。

今田武蔵
監修

ボートレース・競艇予想ムサシ屋運営事務局運営責任者

今田武蔵

早稲田大学を卒業後、新卒で某有名新聞社に入社。競艇を扱う部署に配属していました。その後、某有名競艇予想屋にスカウトされ、プロ競艇予想屋として活動。この時に競艇予想サイトの存在を知り「ボートレース・競艇予想ムサシ屋」として検証を始めることに。現在競艇歴30年を迎え、競艇に使った金額は3,000万円を超えました。皆様に安心して競艇を楽しんで頂けるよう日々尽力しています!

長谷川州和
協力者

元競艇予想サイト運営者・競艇コンサルタント

長谷川州和

大学卒業後、IT企業にてマーケティングに従事。その後、競艇の魅力に目覚め、自ら競艇予想サイトを立ち上げ運営。独自開発したAIを用いた予想で、累計1,000人以上のユーザーを集める人気サイトへ成長。その後、運営を他社に譲渡し、現在は競艇業界全体を盛り上げるコンサルタントとして活躍中。

ボートレースは死亡事故が起きるほど危険

冒頭で述べた通り、ボートレースではこれまでに死亡事故が発生しています。

高速で水面を走行する競技である以上、落水や接触による重大事故のリスクはつきまとうものです。

ただ、死亡事故が起きたという事実をもって「危険な競技」とだけ認識するのはボートレースに対して浅薄な考えと言わざるを得ません。

死亡事故の頻度や現在の安全対策まで知ることで、ボートレースの危険性をより正しく理解できます。

近年も事故はあるが頻繁ではない

近年も落水事故や接触事故は発生しており、重傷者が出るケースもあります。

最近だと川井萌選手が落水事故で左上腕骨を骨折し、長期療養を余儀なくされたことが記憶に新しい方も多いでしょう。

一方で、死亡事故が毎年のように起きているわけではなく、むしろ極めて稀です。

競艇界では過去の事故を教訓に、安全装備の改良や救助体制の強化・ルールの見直しを続けており、安全性は以前より大きく向上しています。

ボートレースで死亡事故が起きる主な原因

ボートレースでは高速でボートが走行する競技特性から、わずかな接触や落水が重大事故に繋がることがあります。

特に、死亡事故の原因として多いのが以下の2つ。

  • 落水後の後続艇との接触
  • 高速ターンによる接触
  • 気象や水面状況による転覆や接触

では、具体的に上記がどのように死亡事故に繋がるのか、詳しく解説していきます。

落水後の後続艇との接触

死亡事故に繋がる最も大きな要因が、落水した選手と後続艇の接触です。

高速で走行するボートは急停止や急な進路変更が難しく、前方で選手が落水しても避けきれない場合があります。

実際、過去の死亡事故でも、落水そのものではなく後続艇との接触が致命傷となったケースが非常に多いです。

冒頭でも述べた通り、競艇選手の体感速度は時速120kmで、実際では時速約80kmほどのスピードが出ています。

そんなボートが水面に浮いている選手と衝突すれば、甚大なダメージを受けやすいことは容易に想像できるでしょう。

高速ターンによる接触

ボートレースでは最高時速80km前後で水面を走行し、第1ターンマークでは6艇が一斉に進入します。

そのため、わずかなハンドル操作のズレや艇同士の接触が、大事故へ発展するケースも少なくありません。

特に、ターン中は艇が密集しやすく、激しい接触によりボートから身体が吹き飛ばされてしまうこともあります。

現状、レース中の落水や転覆を伴わずに死亡したケースは少ないですが、水の抵抗がない状態での艇との接触は死のリスクが非常に高いでしょう。

気象や水面状況による転覆や接触

風や波の影響を受けやすい点も、ボートレースならではのリスクです。

強風や荒れた水面では艇のバランスが不安定になり、接触や転覆が起こりやすくなります。

特に、潮の流れで水面が不安定になる海水の競艇場や、立地の関係で不規則な強風が起こりやすい競艇場では死亡事故に繋がりやすいです。

実際、全国24会場で最も死亡事故が多いのは海水面の若松競艇場で、死亡事故をの件数は4件。

競艇場 件数
若松競艇場 4件
江戸川競艇場 3件
唐津競艇場 3件
津競艇場 2件
鳴門競艇場 2件
大村競艇場 2件
児島競艇場 2件
平和島競艇場 2件
尼崎競艇場 2件
多摩川競艇場 2件
びわこ競艇場 1件
常滑競艇場 1件
芦屋競艇場 1件
三国競艇場 1件
桐生競艇場 1件
浜名湖競艇場 1件
住之江競艇場 1件
下関競艇場 1件
宮島競艇場 1件

次いで、江戸川競艇場・唐津競艇場と続いており、潮流や強風といった自然の影響が強い競艇場が多くなっています。

執筆者画像

今田 武蔵

ちなみに、過去に一度も死亡事故が起こっていない競艇場は「戸田競艇場」「福岡競艇場」「徳山競艇場」「蒲郡競艇場」で静水面の競艇場が多い印象です。

ボートレース歴代死亡事故一覧

ボートレースではこれまでに33名の方がレース中の事故で亡くなっており、以下に一覧でまとめました。

選手名 享年 死亡日 競艇場
西塔莞爾 29歳 1953年1月7日 児島競艇場
横溝幸雄 34歳 1953年12月24日 唐津競艇場
大井手善信 20歳 1954年2月5日 唐津競艇場
中島常价 32歳 1962年1月6日 琵琶湖競艇場
小笠原政敏 28歳 1962年7月25日 鳴門競艇場
大西昭 31歳 1963年7月9日 常滑競艇場
川添一夫 35歳 1965年2月22日 若松競艇場
和泉定治 40歳 1965年3月23日 児島競艇場
中井紘司 24歳 1965年12月23日 芦屋競艇場
半田弘志 29歳 1968年5月14日 若松競艇場
中村五喜 34歳 1968年10月14日 唐津競艇場
蛇山清 23歳 1970年11月1日 鳴門競艇場
石塚一雄 35歳 1972年11月12日 平和島競艇場
池田博 52歳 1973年10月7日 多摩川競艇場
筒井博利 31歳 1977年9月30日 若松競艇場
一瀬隆 27歳 1978年8月14日 大村競艇場
花田龍美 34歳 1981年8月24日 大村競艇場
勝股勇 38歳 1982年1月23日 江戸川競艇場
安心院信行 30歳 1983年1月24日 三国競艇場
宮本力 37歳 1985年1月3日 江戸川競艇場
清水正博 23歳 1989年1月6日 桐生競艇場
水野定夫 48歳 1993年11月22日 江戸川競艇場
有吉貴之 27歳 1997年9月4日 津競艇場
伊藤公二 55歳 1998年3月23日 浜名湖競艇場
沢田菊司 48歳 1999年11月6日 平和島競艇場
木村厚子 38歳 2003年5月25日 津競艇場
中島康孝 26歳 2004年3月28日 尼崎競艇場
坂谷真史 26歳 2007年2月26日 住之江競艇場
岩永高弘 36歳 2010年5月14日 若松競艇場
鈴木詔子 52歳 2013年11月2日 下関競艇場
松本勝也 48歳 2020年2月9日 尼崎競艇場
小林普 48歳 2022年1月12日 多摩川競艇場
中田達也 29歳 2022年11月6日 宮島競艇場

享年を確認すると、若年層~高年層まで幅広いです。

そのため、年齢によって死亡事故に巻き込まれやすいということはないでしょう。

むしろ、どんな年齢層でも事故によってはいつ命を奪われてもおかしくないと言えます。

時代を象徴する死亡事故から見る競艇界の歩み

ボートレースではこれまでに多くの死亡事故が発生しており、どの事故も競艇界へ大きな衝撃を与え、安全性について改めて考える契機となってきました。

現在では救助体制や装備の改良が進み、事故を防ぐための取り組みも充実しています。

ただ、その背景には過去の悲しい事故から得た教訓があることを忘れてはならないでしょう。

そこで、ここからは長い競艇史の中でも、特に競艇界への影響が大きかった死亡事故について時系列でご紹介していきます。

西塔莞爾|競艇界初の死亡事故

西塔莞爾選手は、競艇史上初めて死亡事故で亡くなった選手として知られています。

死亡事故が起こったのは、なんと1953年1月デビュー日の試運転中。

これから競艇選手として活躍していくという、記念すべき日に痛ましい死亡事故によって命を奪われてしまいました。

若い芽が摘まれてしまったことや、安全装備や救助体制の不完全さが明るみになったことで世間は一気に注目。

事故をきっかけに安全性の意識はもちろん、西塔莞爾選手や遺族への補償問題を巡って、全国組織としての選手会設立の機運も高まりました。

執筆者画像

今田 武蔵

西塔莞爾選手の死亡事故と同年、横溝幸雄選手も練習中の事故で亡くなっています。当時の新聞社が写真の影のようなものを「幽霊ボートが現れた」と報じ、世間では「西塔莞爾選手か、横溝幸雄選手の幽霊ではないか?」と話題になりました。その状況を踏まえるとコンプライアンスやマナーの意識も低かったことがうかがえます。

沢田菊司|平成を象徴する死亡事故

沢田菊司選手は、平成を代表する人気レーサーの一人です。

選手が自作のプロペラを使用する持ちペラ制度が採用されていた時代、大型プロペラを使いこなし「デカペラの元祖」と親しまれました。

また、名伯楽としても知られ、インの鬼姫と呼ばれた鵜飼菜穂子選手をレディースチャンピオンで3連覇するほどに育て上げたことでも有名。

選手としての実力も指導者としての腕も優れていましたが、1999年11月に平和島競艇でのレース事故により命を落とします。

レース中に減速した前方の艇を沢田菊司選手が避けきれず、接触後横向きになったところに後続艇が追突。

沢田菊司選手は艇から放り出されてしまい、頚椎損傷あるいは胸部打撲による右肺、右腹部の内出血により死亡したと言われています。

すぐに救助され病院へ搬送されたにも関わらず死亡に繋がってしまったことで、改めて安全対策の重要性が見直されました。

この事故の4日後、競艇界は緊急で実務者による会議を開催。

人身事故の防止策について話し合いがなされ、選手への指導や不良航法など具体的な検討が行われました。

木村厚子|女子選手初の死亡事故

木村厚子選手は、女子選手として初めてレース中の事故で亡くなった選手です。

ボートレース死亡事故 木村厚子

事故レースとなったのは2003年5月の津競艇でのレース。

木村厚子選手は1号艇出走し、先頭で1周2マークを旋回するタイミングで突然失速します。

これにより後続艇が乗り上げるように接触して落水。

すぐに病院へ搬送され、集中治療室での治療が行われましたが、頸椎損傷・脳挫傷により死亡しました。

木村厚子選手は「競艇界のニューアイドル」と呼ばれ、競艇界のイメージアップに大きく貢献した選手。

超人気選手の死亡事故を受け、競艇界は安全対策を再度見直し、選手が安心してレースに望める環境づくりをこれまで以上に重視するようになりました。

松本勝也|令和初の死亡事故

松本勝也選手は、令和の時代に初めてレース事故で亡くなった選手です。

ボートレース死亡事故 松本勝也

最期のレースとなったのは2020年2月9日の尼崎G1。

1周2マーク旋回時にボートが転覆し、他艇との接触により心肺停止の状態になってしまいます。

そこから直ちに病院へ搬送されましたが、肺に水が溜まったことで溺死。

SG優出経験を持つ松本勝也選手が亡くなった事故は、熟練の技術を持つ選手でも回避できない事故により命を奪われることがあると競艇界に知らしめる結果となってしまいました。

加えて、安全対策が進んだ現在でも重大事故が起こり得る現実も突きつけられ、事故を風化させることなく、より安全な競技を目指して改善しようという意識が高まっています。

事故を防ぐための競艇界の対応

ボートレースでは過去の事故を教訓とし、安全性を高めるための取り組みが続けられています。

死亡事故のリスクをゼロにすることは難しいものの、救助体制や装備、ルールなどは時代とともに進化してきました。

ここからは、競艇界が事故防止のために取り組んでいる主な対策を紹介します。

救助体制

レース中に落水事故が発生した場合は、待機している救助艇がすぐに現場へ向かいます。

ボートレース死亡事故 レスキュー艇

救助スタッフや医療スタッフも迅速に対応できる体制が整えられており、選手の救命を最優先に行動する仕組みです。

事故直後の対応は、生存率や後遺症の有無を左右する重要な要素。

そのため、競艇場では救助までの時間をできる限り短縮できるよう体制の強化が図られています。

装備の進化

選手が着用するヘルメットやプロテクターは、事故の教訓を踏まえながら改良が重ねられてきました。

万が一の衝撃を少しでも軽減できるよう、安全性を重視した装備が採用されています。

また、ボート本体についても安全性能の向上に抜かりがありません。

例えば、1983年に導入されたカウリング。

ボートレース死亡事故 カウリング

カウリングは水しぶきから選手の視界を守るカバーであり、視界不良により危険な操縦を強いられることを防ぐ目的で導入されました。

この他にも、最高出力を低減させたモーターを採用し、衝突時の衝撃を緩和するなど、重大事故につながるリスクを少しでも減らそうという取り組みが続いています。

ルール改正

競艇界では、事故防止につながるルールの見直しも継続的に行われています。

危険な走行を防ぐための規定やペナルティを設けることで、安全なレース運営につなげることが目的です。

レースの公平性を保つだけでなく、選手の安全を守ることもルールの大切な役割といえます。

競技性と安全性の両立を目指し、必要に応じた見直しが続けられています。

執筆者画像

今田 武蔵

近年の不良航法やフライングなどの厳罰化は、競技の安全性をさらに高めようという意識の現れと考えられるでしょう。

安全意識の向上

事故を防ぐためには、設備やルールだけでなく、競艇に関わる一人ひとりの意識も欠かせません。

そのため、日頃の訓練や安全教育を通じて、危険を回避するための判断力や対応力が養われています。

特に、養成所では安全性への意識向上が徹底されており、僅かな気の緩みが事故に繋がるため教官による非常に厳しい指導が行われるのが日常茶飯時。

他にも、選手の控室には過去にフライングをした選手の謝罪文が貼られており、危険の伴うレースで安全性への意識を選手にしっかりと持ってもらう取り組みと言えるでしょう。

この他、レスキュー講習会の開催により各競艇場のレスキュー要員の技能や安全意識の向上も図られています。

競艇における死亡事故の件数変化

ボートレースでは過去に死亡事故が発生しているものの、毎年のように事故が起きているわけではありません。

歴代の死亡事故を集計すると、事故は特定の年代に散発的に発生しており、継続的に増加している傾向は確認できませんでした。

年代 死亡事故件数
1950年代 3
1960年代 8
1970年代 5
1980年代 5
1990年代 5
2000年代 3
2010年代 2
2020年代(2022年まで) 3

特に、近年は安全装備の改良や救助体制の強化、危険走行を防ぐルール整備などが進み、死亡事故で見るとむしろ減少傾向です。

もちろん事故のリスクがゼロになったわけではありませんが、過去の教訓を生かしながら事故を未然に防ぐ努力が続けられている証と言えるでしょう。

ボートレースの死亡事故に関するよくある質問

ここからはボートレースの死亡事故に関してよくある質問に回答していきます。

ボートレースの死亡事故まとめ

ボートレースでは過去に死亡事故が発生しており、高速で行われる競技である以上は一定の危険性は避けられません。

一方で、事故の多くは競艇界にとって大きな教訓となり、救助体制や安全装備・競技ルールの見直しなど現在の安全対策につながっています。

死亡事故だけを見ると「危険な競技」という印象を受けるかもしれません。

しかし、事故の背景や競艇界の取り組みまで知ることで、「危険と向き合いながら安全性を高め続けている競技」であることがわかります。

ボートレースを楽しむ際は事故の歴史も正しく理解した上で、競技の魅力や安全への取り組みにも目を向けてみてください。

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