競艇のアウト屋についてご紹介!レジェンドレーサーから女子選手まで徹底解説!

インコース有利が確立している競艇において、常識外れな存在であるアウト屋。
「なぜ、アウト屋はわざわざ不利なコースから出走するのか」
と疑問に感じる人は多いと思いますが、実は不利になってでもアウトコースから出走したい理由があります。
そこで、今回はアウト屋とは何かという概要とともに、不利なコースから出走する理由について徹底解説!
他にも、アウト屋で勝つために押さえるべき予想方法も解説するので、ぜひ最後までお付き合いください。
早稲田大学を卒業後、新卒で某有名新聞社に入社。競艇を扱う部署に配属していました。その後、某有名競艇予想屋にスカウトされ、プロ競艇予想屋として活動。この時に競艇予想サイトの存在を知り「ボートレース・競艇予想ムサシ屋」として検証を始めることに。現在競艇歴30年を迎え、競艇に使った金額は3,000万円を超えました。皆様に安心して競艇を楽しんで頂けるよう日々尽力しています!
競艇のアウト屋とは?

競艇における「アウト屋」とは、あえてアウトコースから出走するボートレーサーを指します。
一般的に、アウトコースは4〜6コースもしくは、5・6コースを指しますが、アウト屋は好んで6コースを選択することが多いです。
これがどれほど無謀なことなのか、コース別勝率の全国平均を見てみましょう。
| コース | 勝率 |
|---|---|
| 1 | 52.9% |
| 2 | 15.2% |
| 3 | 12.9% |
| 4 | 11.9% |
| 5 | 6% |
| 6 | 2.2% |
引用:艇国データバンク
6コースは、100回レースをして2回しか勝てません。
2回に1回の確率で勝つ1コースと比べると天と地の差です。
また、6コースは勝率が低いだけではなく・・・。
- スタートに失敗すると挽回しづらい
- モーターの整備力が求められる
など他のコースに比べて勝つためのハードルが非常に高いです。
では、なぜアウト屋は6コースから出走するのか、その理由に迫っていきましょう。
競艇選手がアウト屋になる理由は3つ
他のコースに比べて勝つことのハードルが高く、アウト屋は不利な点だらけにも思えます。
しかし、アウトコースから出走することには、他のコースにないうまみがあるのも事実。
- 助走距離を自分の好みに合わせやすいから
- 他艇に先行しやすいから
- スタート前の駆け引きがいらないから
それぞれ詳しくご説明します。
助走距離を自分の好みに合わせやすいから

まず1つ目は「助走距離を自分の好みに合わせやすい」ということです。
競艇は、フライングスタート方式というルールを採用しています。
各艇がタイミングを計って、大時計が0秒から1秒を指す間にスタートラインを通過するというスタート方式。
少しでも早くラインを超えればフライング、1秒を過ぎてラインを通過した場合は出遅れとして欠場になる。
そのため、自分のスタートタイミングに合った助走距離を確保する必要があるわけです。
ただ、インコースだと助走距離が短いため、調整の幅も必然的に短くなってしまいます。
一方、アウトコースであれば、助走距離が長くなるので、その中で調整し自分に合った位置からスタートしやすいです。
スタート時にコンマ1秒を競い合う競艇において、タイミングを合わせやすい助走距離を調整できるのは、アウトコースならではの強みになります。
他艇に先行しやすいから

2つ目は「他艇に先行しやすいから」ということです。
競艇は、第1ターンマークで勝敗が決すると言われ、道中で抜きが決まる割合は5%ほどしかありません。
そのため、第1ターンマークで先にターンを決めるためにも、いかに他艇より早くスタートを切れるかが重要です。
スタート巧者であれば、助走距離が長いアウトコースから十分に加速がついた状態でスタートを切ることができます。
さらに、加速がついていることで、スピードターンも可能です。
スピードをほとんど落とさない状態でターンを回る技術。
スピードターンが決まれば、他艇に先行できるだけでなく、加速がついているのでリードを広げることができます。
スタート前の駆け引きがいらないから

3つ目は「スタート前の駆け引きがいらない」ということです。
競艇には、ピット離れからスタートまでの待機行動と呼ばれる時間があります。
待機行動では、進入固定レースを除いて前づけに注意しなければなりません。
内枠でない選手がインコースのスタート位置を取ろうとすること。
つまり、一般的な競艇選手は自分のスタート位置を見定めることに神経を使うだけでなく、スタート位置を守るために他艇にも気を配らなければならないわけです。
しかし、アウト屋はインコースから出走しないので、他艇との駆け引きが生じません。
自分のコースを取られる心配がないので、全神経をスタートに注ぐことができます。
競艇界で有名なアウト屋を紹介!実際の走りを動画やデータで解説!
では、競艇界にはどんなアウト屋がいるのか、代表的なアウト屋ボートレーサーは以下の6名です。
- 阿波勝哉
- 澤大介
- 小川晃司
- 向義行
- 菅章哉
- 堀之内紀代子
それぞれ実際の走りを動画やデータで詳しく解説します。
6コースから9連勝をあげた「阿波勝哉」

阿波勝哉選手は、アウト屋の代名詞と言える東京支部のB1ボートレーサーです。
「アワカツ」の愛称で親しまれ、アウト屋としての実力の高さから根強い人気を誇っています。
そんな阿波勝哉選手の強さを物語るのが、6コースから9連勝という偉業。
動画の中では、1号艇であるにもかかわらず平然と6コースへ進入して勝利をもぎ取るシーンもありました。
6コースのコース別勝率が2%前後ということを考えると、阿波勝哉選手の並々ならぬ実力がうかがえます。
スタート巧者の元アウト屋「澤大介」

澤大介選手は、スタートが強みのA2ボートレーサーです。
現在はアウト屋を引退して、どのコースからでも舟券を狙えるオールラウンダーな走りを見せています。
そんな澤大介選手で特筆すべき点は、アウト屋として合計6回の優勝経験を持っていることです。
優勝戦では、どのレースでもトップスタートを決めています。
また、他艇を圧倒するトップスタートで、余力を感じるほどにスムーズなまくりを連発している姿が印象的でした。
まさに、スタートに自身のある澤大介選手だからこそできる戦術でしょう。
助走距離をフルに活かす「小川晃司」

小川晃司選手は、福岡支部所属のB1選手です。
現役のアウト屋の中では、紛れもない最古参のボートレーサーでもあります。
小川晃司選手で特徴的なのが、助走距離が直線ではなく、さらに引っ張って回り込むようにスタートラインへ向かうこと。
競艇では、スタートタイミングを合わせなければならないため、なぜこのスタートでタイミングが合うのか不思議なくらいです。
ただ、この走りが自分にしっくりくるとのことなので、長年自分の走りに向き合った結果、アウト屋として活躍するに至ったことがうかがえます。
アウト屋のレジェンド「向義行」

向義行選手は、現在は引退されていますが、現役時は競艇史上最強のアウト屋と呼ばれていました。
残念なことに向義行選手のレース映像が確認できなかったため、現役時代の成績をご紹介します。
| 通算勝利数 | 1,523 |
|---|---|
| 生涯勝率 | 6.06 |
| 優出回数 | 182 |
| 優勝回数 | 50 |
| G1優出回数 | 11 |
| G1優勝回数 | 1 |
| SG優出回数 | 0 |
| SG優勝回数 | 0 |
引用:ボートレース大村
A1ボートレーサーの平均勝率が6.78なので、アウト屋でありながら生涯勝率6.06は驚異的な数字です。
また、G1での優勝経験もあり、競艇史上最強のアウト屋の異名は本物であることがうかがえます。
峰竜太を沈めた「菅章哉」

菅章哉選手は、今や競艇ファンなら誰もが知るトップボートレーサー。
どちらかと言うとイン戦に強いイメージを持っている人が多いかも知れませんが、本領はアウトコースです。
菅章哉選手を語る上で欠かせないのは、峰竜太選手との一騎打ちとなった鳴門競艇でのG1「大渦大賞」。
内枠に現役最強と言われる峰竜太選手が構える中、菅章哉選手は4号艇であるにもかかわらず、ゆっくりと大外6コースへ進入します。
そこから、大きく助走距離をとって第1ターンマークで全艇をまくる荒業を披露。
1周目の第2ターンマークで峰竜太選手に追いつかれますが、そこからさらにまくって勝利しました。
今田 武蔵
女子選手初のアウト屋「堀之内紀代子」

堀之内紀代子選手は、女子選手を牽引してきた競艇界のレジェンド。
菅章哉選手と同様にそこまでアウト屋のイメージが無いかもしれませんが、女子史上初のアウト屋と呼ばれています。
そんな堀之内紀代子選手をアウト屋として世に知らしめたのが、蒲郡競艇でのヴィーナスシリーズ。
本大会で堀之内紀代子選手は全レース「チルト3度」でアウトコースから出走します。
ボートにモーターを取り付ける際の角度のこと。
−0.5~3.0度の間で調整ができる。
上げると加速が増し、下げると安定感が増す。
アウト屋は出足や伸び足に特化してモーターを調整することが多いので「チルト3度」はアウト屋の常套手段でもあるわけです。
結果、舟券絡みを連発し、優出まで成し遂げる大健闘。

優勝こそ逃したものの、アウト屋らしい走りを見せてくれました。
競艇のアウト屋で勝つために抑えるべき予想方法を4ステップでご紹介!
競艇のセオリーを覆すアウト屋が勝つと単純に盛り上がりますし、配当も跳ね上がります。
ただ、6コースが勝利するのを見極めるのは難しいため、アウト屋が出走するレースは攻略難易度が高いです。
そこで、30年以上競艇で生活してきたムサシが、アウト屋で勝負する際の予想方法を4ステップでまとめました。
- 平和島・江戸川・戸田の3会場で勝負する
- アウト屋のボートレーサーを見極める
- 内枠の選手が不調なレースを選ぶ
- アウト屋の選手を軸に相手を広く選択して勝負
上記4ステップを踏めば、アウト屋で勝負する際の勝率を高めることができるので、ぜひご覧ください。
平和島・江戸川・戸田の3会場で勝負する
まず、アウトコースの勝率が高い競艇場を把握しましょう。
全国には24か所の競艇場がありますが、6コースの勝率が全国平均3.12を上回っているのは以下の12会場。
| 競艇場 | 勝率 | 1着率 | 2連対率 | 3連対率 |
|---|---|---|---|---|
| 平和島 | 3.67 | 3.4% | 13.6% | 30.9% |
| 江戸川 | 3.58 | 2.6% | 12.4% | 28.9% |
| 戸田 | 3.4 | 2.4% | 10.6% | 26.7% |
| 鳴門 | 3.31 | 2.4% | 9.5% | 24.0% |
| 児島 | 3.25 | 1.8% | 9.6% | 24.2% |
| 多摩川 | 3.24 | 1.5% | 8.7% | 23.8% |
| 若松 | 3.24 | 1.8% | 9.3% | 23.1% |
| 浜名湖 | 3.18 | 1.8% | 8.1% | 22.7% |
| 芦屋 | 3.17 | 2.1% | 8.5% | 22.8% |
| 下関 | 3.16 | 2.5% | 8.6% | 22.2% |
| 常滑 | 3.15 | 1.9% | 8.6% | 22.8% |
| 丸亀 | 3.15 | 2.8% | 7.7% | 22.5% |
引用:艇国データバンク
ただ、勝率が0.1ほどしか変わらないのは誤差とも言えるので、平和島・江戸川・戸田の上位3会場で勝負しましょう。
アウト屋のボートレーサーを見極める
次は、出場する選手のコース別成績からアウト屋の選手を見極めましょう。

アウト屋であれば必ず5・6コースへ進入するので、コース別3連対率の成績も5・6コースのみとなっています。
そのため、上記3つの競艇場でレースに出場する選手のコース別成績を確認してアウト屋かどうかを判断しましょう。
今田 武蔵
内枠の選手が不調なレースを選ぶ
次は、レース選びです。
勝負するべきレースは、内枠の選手が不調気味なレースを選ぶようにしましょう。
例えば、2023年8月18日の平和島競艇における2R。

1号艇の品田直樹選手は、半数以上が舟券外の成績となっています。
また、2号艇の森作広大選手は、3日目に2号艇2コースから1着となっていますが、4日目と5日目は舟券外がほとんどです。
以上を踏まえると、アウト屋の阿波勝哉選手が勝つことに相当な期待ができます。
実際、本レースの結果は「6-1-3」で阿波勝哉選手が勝利していました。
アウト屋が出走するレースでインコースの選手が不調な場合、一気にアウト屋の勝率が高くなるので、レース選びは間違わないようにしましょう。
アウト屋の選手を軸に相手を広く選択して勝負
勝負するべきレースが決まれば、あとは買い目作成。
軸は、アウト屋の選手になるため「6‐◯‐◯」になりますが、相手選びは困難を極めます。
というのも、アウト屋に後続する艇がどのような展開になっているか想像しにくいためです。
よって、相手は広く選択するほかありません。
| 買い目 | 展開 |
|---|---|
| 6-123-123 | インコース有利から内枠の艇が3着以内に残る |
| 6-345-345 | 6号艇にセンターからアウトコースの艇が続く |
| 6-全‐全 | 展開が読みにくい場合 |
ステップ3まできてそれでもアウト屋が勝つかどうか怪しいという場合は、上記買い目の2・3着に6号艇を加えるというのも1つの手でしょう。
競艇の持ちペラ制度廃止でアウト屋達が窮地に…

アウト屋を見極めて勝負すれば、高配当に期待ができますが、近年はアウト屋が勝つのが困難になっています。
というのも、ボートレースでは2012年に持ちペラ制度が廃止され、アウトコースから勝つことに特化したペラが使えなくなったためです。
正式名称は「選手持ちプロペラ制度」で、モーターに取り付けるプロペラを選手自身で用意できる仕組み。
1988年5月〜2012年4月まで導入されており、アウト屋にとっては出足や伸び足に特化したプロペラを使用できるメリットがあった。
現在はペラを競艇場が管理しており、選手は大きく形を変えることはできず、調整のみが可能となっている。
持ちペラ制度の廃止後は、どのアウト屋も成績が落ち込むようになりました。
例えば、本記事でもご紹介した実力派アウト屋の阿波勝哉選手は以下のように成績が変動しています。
| 年 | 1着数 | 勝率 | 1着率 |
|---|---|---|---|
| 2011年 | 53 | 5.57 | 30.9% |
| 2012年 | 14 | 5.06 | 12.9% |
引用:艇国データバンク
持ちペラ制度の廃止後、1着数が1/5にまで減少。
また、1着率で見ると20%ほど減少して、それに伴って勝率も下がり、明らかに成績が落ち込んでいます。
アウト屋にとって、いかにペラが大事であったかがわかる数字です。
競艇のアウト屋まとめ

今回は、競艇で活躍するアウト屋についてご紹介してきました。
持ちペラ制度の廃止によって、現在のアウト屋は絶滅危惧種となっています。
ただ、その中でも活躍を続けるアウト屋がいることは間違いありません。
最も不利なコースから勝利をもぎ取るアウト屋の走りは盛り上がり、配当も魅力的な金額になるので、ぜひ応援を続けましょう。
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