競艇の永久追放とは?彦坂郁夫や中村男也など追放された人物もご紹介!

競艇は、様々な競技の中でも厳罰が有名な競技です。
近年では、フライングの厳罰化で賛否を呼んだことが記憶に新しい方もいるでしょう。
そんな競艇において、実質的に最も重い処分とされるのが「永久追放」です。
本記事では、永久追放という競艇界の実質的な極刑と過去に永久追放処分となった選手についても徹底解説したので、ぜひ最後までご覧ください。
早稲田大学を卒業後、新卒で某有名新聞社に入社。競艇を扱う部署に配属していました。その後、某有名競艇予想屋にスカウトされ、プロ競艇予想屋として活動。この時に競艇予想サイトの存在を知り「ボートレース・競艇予想ムサシ屋」として検証を始めることに。現在競艇歴30年を迎え、競艇に使った金額は3,000万円を超えました。皆様に安心して競艇を楽しんで頂けるよう日々尽力しています!
目次
競艇の永久追放とは実質的かつ永久的なクビ
競艇の永久追放とは、実質的かつ永久的なクビを意味します。
そもそも競艇選手は、国家資格である「競艇選手資格検定」を合格した人で、資格保持者であれば競艇選手としての活動が可能です。
しかし、永久追放になると競艇界を永遠に追放されることになるので、資格があろうとなかろうと2度と競艇選手として活動することはできなくなります。
それ故に、競艇界で最も厳しい処分と言われているわけです。
競艇の永久追放に法的根拠はない
競艇の永久追放は厳罰ではありますが、意外にも法的な根拠はありません。
というのも「モータボート競走法」では、選手への罰則は罰金刑か拘禁刑しか定められていないためです。
また、斡旋期間中の選手の素行に関する「モーターボート選手管理規程」では、違反者には出場停止処分とする旨が記載。
つまり、罰金を払うか、拘禁や出場停止期間を満了したら理論上は選手として復帰可能になります。
ただ、選手の斡旋を決めるのはレースの施工者や日本モーターボート競走会です。
これらの団体が厳罰を受けるほどイメージの悪い選手をわざわざ斡旋することはまずないので、法的根拠がなくとも永久追放は実質的に最も重い厳罰として存在しています。
競艇で永久追放となる原因は4つ
競艇の永久追放は実質的な厳罰なので、具体的に何をすれば永久追放になると法律で定められているわけではありません。
ただ、過去の事例を確認すると、以下の4パターンはほとんど場合で永久追放になることが多いです。
競艇で永久追放となる4つの原因
- 八百長に関与する
- 整備規定に違反する
- 異性関係の不祥事を起こす
- 違法行為や犯罪を犯す
それぞれについて詳しく解説していきます。
八百長に関与する
競艇の永久追放で最も代表的な原因が八百長です。
八百長は勝ち負けを競うレースで、事前に話し合い結果を決める不正行為。
選手が外部の人間と手を組み、意図的に高配当を演出することでその利益を山分けするのが典型例です。
これは、競艇選手が賄賂を受け取ったことと等しくなるので、当然以下のように違法行為に該当します。
第七十二条
競走の選手が、その競走に関して賄賂を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。よつて不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたときは、五年以下の懲役に処する。
引用元:モーターボート競走法
競艇に限ったことではないですが、ギャンブルにおいて公平性を損なう八百長はご法度。
故に、八百長に関与したり、関与の可能性が非常に高い選手は永久追放となることが圧倒的多数となっています。
整備規定に違反する
整備規定に違反するのも永久追放の原因です。
競艇は、モーターやペラを競艇場が管理し選手の使用についても厳密にルールが決まっています。
これによりできるだけ機械の個体差をなくし、公平なレースを担保するわけです。
ただ、稀に選手がレースに勝つため自作のモーターやペラなどを使用することがあります。
これは整備規定違反になるだけでなく、著しく公平性を損なう悪質な行為となるので永久追放処分になることもあるわけです。
今田 武蔵
異性関係の不祥事を起こす
プライベートのことですが、異性関係の不祥事も永久追放の原因になります。
異性関係と言っても競艇の場合は、選手の男女比が8:2ほどなので女性関係の不祥事で男子選手が永久追放になることが多いです。
ボートレーサーは一般人よりも圧倒的に収入が多いので、女性にモテる男子選手は多いでしょうし、お金にものを言わせて荒れた異性関係を構築する選手も中にはいるのかもしれません。
そういった火遊びが元で不祥事につながり、競艇界を追放されるケースもあります。
今田 武蔵
違法行為や犯罪を犯す
違法行為や犯罪も競艇界を永久追放となる原因です。
過去には以下の事例で永久追放処分が下っています。
- 器物損壊による逮捕
- 飲酒運転による逮捕
- 女性への性的暴行による逮捕
- 窃盗による逮捕 など
場合によっては、1回で永久追放とならない場合もありますが、基本的には即追放処分のケースが大多数。
一般社会でも会社で違法行為や犯罪行為をした社員は解雇処分になることが多いので、常識として永久追放になることが多いのでしょう。
競艇で永久追放となった艇王「彦坂郁雄」の事件をご紹介!
では、競艇において過去にどんな永久追放があったのか、具体的な競艇の永久追放についてまとめました。
中でも、整備規程の厳格化が進むきっかけとなった「彦坂郁夫」の事件は、競艇の永久追放を語る上で欠かせないので詳しくご紹介します。

| 選手名 | 彦坂郁雄(ひこさかいくお) |
|---|---|
| 登録番号 | 1515 |
| 出身 | 静岡県 |
| 所属支部 | 東京 |
| デビュー | 1959年12月 |
| 引退 | 1988年9月 |
彦坂郁雄は、1959年にデビューし1988年まで活躍したボートレーサーです。
連勝記録(37連勝)やSG・G1の最多優勝記録(77回)など、競艇界で数多くの大記録を樹立し「艇王」と呼ばれました。
圧倒的な実力と実績で数多くの競艇ファンを魅了してきた伝説的な選手ですが、ある事件をきっかけに競艇界から永久追放となってしまいます。
では、具体的にどのようなことが起こったのか詳しく見ていきましょう。
永久追放の理由は整備規程違反
彦坂郁雄の永久追放理由は、整備規程違反です。
1988年3月に戸田競艇で行われた彦坂郁雄は、総理大臣杯競走(現ボートレースクラシック)で3度目の優勝を達成。
しかし、その後9月に桐生競艇で自前の部品を持ち込んでいたことによる整備規程違反が発覚し、1年間の出場停止処分を受けました。
本人は、部品の持ち込みは認めたものの使用は否定。
ただ、この主張は通らず引退勧告が行われ、同月に引退という形で永久追放となりました。
競艇界への影響とその後の人生
競艇界の大スターであった彦坂郁雄の永久追放は大きな衝撃となり、整備規程の厳格化やチェック体制の強化が進むきっかけとなりました。
一方、彦坂郁雄はその後に千葉県で実業家に転身。
海外を股にかけて事業展開中と言われています。
どれだけ優れた選手であろうと、永久追放になると人生そのものが一変することを象徴している事件と言えるでしょう。
競艇で永久追放/クビになった選手一覧
競艇界を永久追放となったのは、彦坂郁雄だけではありません。
70年以上の歴史を持つ競艇の過去を振り返ると、永久追放処分になった選手(クビになった選手)が一定数いました。
| 選手名 | 永久追放の時期 | 永久追放の理由 |
|---|---|---|
| 国光秀雄 | 1988年 | 八百長・整備規定違反 |
| 中村男也 | 1990年代 | 整備規定違反 |
| 古野智丈 | 2003年 | 女性関係の不祥事 |
| 石田剛大 | 2008年 | 器物損壊 |
| 西川昌希 | 2019年 | 八百長 |
| 佐々木海成 | 2023年 | 舟券購入 |
| 山口高志 | 2024年 | 酒気帯び運転 |
| 秋山直之 | 2025年 | 窃盗事件 |
それぞれの選手の永久追放について詳しく解説していきます。
国光秀雄:不正プロペラ事件
国光秀雄は、前述の彦坂郁雄と同時代に活躍したボートレーサーです。
現役時代はSG優勝2回を達成するほどの実力を誇りました。
ただ、簡単に得られる大金に目がくらみ、他の選手と共謀して八百長に手を染めます。
まず、1人の選手が整備規程より50g軽い不正プロペラを複数作成。
それを国光秀雄が持ち込み、他の選手に渡すことで不正プロペラを使用した選手が勝つようにレース結果を操作しました。
ところが、不正プロペラを使用した選手の内部告発により露呈。
結果、不正プロペラを作成した選手と使用した2名が逮捕・国光秀雄は永久追放の処分となり、彦坂郁雄の事件同様にペラやモーターの管理が厳格化されるきっかけになりました。
今田 武蔵
中村男也:オイルシールの整備規程違反
中村男也は「ジェット男也」の異名で知られた実力派レーサー。

モーターの整備力に長けた選手で、どんな機体でも爆発力のある伸び型に化けさせる技術力を誇りました。
ところが、1985年3月にギヤーケースのオイルシールに5つの傷があったことで整備規程違反となり、出場停止処分を受けます。
中村男也は整備規程違反を行っていないと否定し、処分の取り消しを求め裁判沙汰にまで発展。
結局、裁判で出場停止処分が覆ることはなくそのまま永久追放となりました。
本件は、競艇界への影響が大きいスター選手だけでなく、中堅や若手選手であっても容赦なく永久追放の可能性があると示された事件と言えます。
古野智丈:女性への性的暴行
古野智丈は、92期の養成所チャンピオンに輝いた天才ボートレーサーです。

92期と言えば、毒島誠や大峯豊などSG常連選手が多い豊作の世代なので、どれだけ実力が高かったかがうかがえます。
しかし、2003年8月に元交際相手(当時19才の女子学生)に対して性的暴行を行ったとして逮捕。
これを受けて、競艇界を永久追放となる処分が下りました。
今田 武蔵
石田剛大:車を蹴り器物損壊
石田剛大は、98期で修了記念競走に優出するほどの実力者です。

その実力は新人時代から光っており、デビュー19走で初勝利を収めるほどで将来を嘱望された選手の1人でした。
ところが、2008年5月に酔った勢いで他人の車を蹴り破損させたとして器物損壊の容疑で逮捕。
その後引退という形で、競艇界を永久追放になります。
古野智丈の事件もあったこともあり、本件以降は選手の私生活管理やコンプライアンス教育が強化され、トラブル抑止の仕組みづくりが進むきっかけとなりました。
今田 武蔵
西川昌希:競艇史上最悪の八百長事件
西川昌希と言えば、競艇史上最悪と言われる八百長事件を起こした人物。

2016年2月~2019年9月の間に、知人の増川遵と共謀し八百長レースに手を染めました。
これにより3億円以上の利益を得たとして、2020年1月に収賄の容疑で逮捕。
あまりに悪質な手口と犯罪行為ということから、情状酌量の余地なしとして永久追放処分となりました。
本件は、イメージアップ戦略を取ってきた競艇界に大ダメージとなり、以降八百長防止策や監視体制が飛躍的に強化。
ただ、現在でも八百長と疑われるレースは一定数あり、そのたびに競艇ファンの間で西川昌希の八百長が取りだたされ波紋を呼んでいます。
佐々木海成:舟券の購入
佐々木海成は2022年にデビューした大阪支部の新鋭でした。

ところが、2024年に電話投票で舟券を購入したことが発覚。
競艇選手は八百長防止の観点からモーターボート競走法で、舟券の購入が禁止されています。
第十一条
次の各号のいずれかに該当する者は、当該各号に掲げる競走について、舟券を購入し、又は譲り受けてはならない。
一 競走に関係する政府職員及び施行者の職員にあつては、すべての競走
二 競走実施機関の役職員及び競走の選手にあつては、すべての競走
三 前二号に掲げる者を除き、入場料の徴収、舟券の発売等、競走場内の整理及び警備その他競走の事務に従事する者にあつては、当該競走引用元:モーターボート競走法
八百長に及んだかまでは明らかになっていませんが、疑われても当然の行動です。
2019年には西川昌希による八百長事件もあったからか、2024年2月19日付けで登録が消除。
その後、競艇界に戻ることはなく実質的に永久追放処分となりました。
今田 武蔵
山口高志:酒気帯び運転による逮捕
山口高志は、通算500勝記録を有した佐賀支部の古豪。

SGやG1での目立った活躍こそないものの、ベテランならではの走りで根強いファンがいた選手でした。
しかし、2024年7月10日に飲酒運転で信号機に衝突する事故を起こして逮捕されます。
その後、18日に日本モーターボート競走会に引退届を提出。
「成績不振による引退勧告があったのでは?」との声もありますが、タイミング的に社会的に重大な違反をしたことによる永久追放と見る声が大多数となっています。
秋山直之:窃盗事件による逮捕
秋山直之は、2回のSG優出歴を持つ群馬支部の中堅選手。

全速ターンに長けており外枠から連に絡むことが多いため、穴党好みの選手として知られていました。
ところが、2025年3月に山口県内の商業施設で飲むヨーグルトとお茶を万引きした疑いで逮捕。
4月21日に引退届けを提出し、競艇会を永久追放されることになります。
本件は、実力派選手による刑事事件で「実績があっても不祥事には容赦なし」という競艇界の姿勢が改めて示されました。
今田 武蔵
競艇の永久追放まとめ
今回は競艇の永久追放について解説しました。
競艇界において、実質的かつ永久的なクビを意味する永久追放はこの上ない厳罰です。
それ故に、八百長や整備規程違反など、競艇の信用を失墜させるような行為が永久追放の対象となります。
実際、彦坂郁夫をはじめとする複数の有力選手が処分されているので、ハイレベルなレースを観戦したいファンからすると永久追放される選手が少なくなることを祈るばかりです。
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